d電子系 - 茨城大学フロンティア応用原子科学研究センター 物質構造物理研究室

茨城大学フロンティア応用原子科学研究センター 物質構造物理研究室のHPです。
Material Structure Physics Lab., Frontier Research Center for Applied Atomic Sciences,
Ibaraki University, Tokai, Japan

Material Structure Physics Lab.


updated 2016.4.29

d電子系軌道・電荷・スピン・格子結合系の物理

cmr1.jpg 近年 注目を集めている3d電子系では、遷移金属の3d電子の持つ軌道・電荷・スピンの自由度の結晶格子の上での振る舞いが、物性と密接に関係していることがわかってきた。例えばマンガン酸化物では、磁場印加に伴い電気抵抗が8桁以上も変化する巨大磁気抵抗効果と呼ばれる特異な現象が 知られている。ここで絶縁相は、図に示すように マンガンイオンの3価、4価が市松模様となった電荷秩序状態で且つ、軌道自由度を持つ3価サイトが 軌道秩序を示している。さらに図に示すような反強磁性的なスピン秩序状態が、この軌道秩序により安定化することが明らかになっている。一方金属相では電荷秩序が消失し、2重交換相互作用と呼ばれる力が強磁性的なスピン秩序を安定化することが明らかとなった。このように、3d電子のもつ3つの自由度の秩序構造を調べることより、『巨大磁気抵抗効果とは、磁場印加に伴う反強磁性⇔強磁性転移を引き金として生じた電荷・軌道秩序状態のドラスティックな変化より生じた、劇的な"絶縁体・金属転移"である。』ということが明らかとなった。このように物質の様々な物性を理解するために、 結晶中での電子の持つ軌道・電荷・スピンの自由度の秩序状態を調べることが、我々の使命となっている。そこで我々の研究室では、共鳴・非共鳴X線散乱、中性子散乱を駆使し、通常決定することの難しい軌道・電荷・スピン の秩序状態を解き明かす研究を行っている。

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